起床をし、まずは妻の体調を伺う。熱は平熱に下がったものの、未だ倦怠感があるらしく、今日も職場を休む事になった。雇った方は堪らんだろうなと口走りそうになり、思わず口を閉じる。
冷蔵庫内を漁り、昨日、買っておいたシュークリームを朝食兼昼食で頬張る。冷蔵庫の中には、食べかけのカップヌードルがあり、何故にこんな物を捨てずに残してあるのか疑問が沸くが、何も言わず、見て見ぬ振りをする。

一応は私の母親、つまり、子供達にとっては祖母が家にやってきて、秋祭りに連れて行ってくれた。途端、布団で伏せている妻と二人きりとなると、何とも言えない辛気臭いような雰囲気が漂う。時々、痰が絡んだような咳をし、風邪が移らないだろうかと不安が過る。

「洗濯物を干しておいて」
と隣の寝室から、テレビのワイドショーのコメンターの声に混じり、耳に届く。重い腰をあげて2階のベランダに向かい、タオルや衣類を物干し竿に乱雑に掛けていく。表からガキのはしゃぐ声が聞こえる。何やら追いかけっこをしているようだ。うちの子供達は、この大勢いるガキ達と1人位は友達になれたのだろうかとぼんやり考えながら、洗濯物を干し終わり、下のリビングに戻る。

「夕はお義母さんが、シーフードカレーを作ってくれるらしいから、お米を炊いといて」

「分かった」と短く返事をし、炊飯ジャーを開ける。硬いご飯が、また、ジャーの中に残っていた。

「これはいつのご飯?」と俺。
「今朝のご飯」と妻。

「何故、いつもいつも少しだけ残るの?きちんと計算をして炊いたら?」

思わず、口に出てしまい、しまった!と思ったと同時に「うるさい!」と金切り声が耳をつんざく。そして、止まない咳の音。家中がどんよりとした負のオーラに染まって行くような気がして参りそうになる。手早く米を研いだ後、炊飯ジャーのタイマーをセットしてから、1人で家を出る。

夕刻、家に戻ると母親からメールが入る。すき家の牛丼を持って帰るとあったので、カレーじゃ無いのかよと、急いで、炊飯ジャーのタイマーを切る。母親が買って来たのは、並盛り3つであった。並盛り…と最初は思ったが、妻や子供達があまり食べなかったので、結局は特盛り位の量を食べる羽目になる。

夕食後は、中古で購入をした、となりのトトロのDVDを子供達と観たり、ブロック遊びに興じる。寝る時間になっても、なかなかおもちゃを片付けない娘に

「片付けなさいよ。部屋が汚いって私がお義母さんに怒られるんだから。子育てをしないと分からない部分も有るよね?いくら片付けても子供達がすぐに散らかすのに、私のせいにされて」

娘というよりも俺に対して言う。

「俺に言わずに、直接言ったらいいやん。俺は別に母親の肩を持っている訳でも無いし」と言うと、妻は
「これからは、少し距離を置かして貰う」
との事。
その言葉に多少、頭に来た俺は

「ランドセルとか、そっちの親は買ってくれるんか?全て俺の親から買って貰うつもりか?そもそも今だに家の購入祝い金をくれんというのはどういうこっちゃ?あんな、スイートポテトくらいでは騙されへんぞ!」




と言おうとしたが、その後の修羅場が目に見えているので黙っておいた。3連休の最後も娘と遊びに行く予定。