畳14枚の表替え、襖2枚、障子2枚の張り替えを業者に依頼し、合計金額が5万円で済んだ。クーラーを取り外し、冷蔵庫、洗濯機を近所の人にあげた。断腸の思いで、いろんな物を捨てて、必要な物はすべて自分で荷造りをし、郵便局から送った。その数、段ボール箱で20箱弱。取りあえず引っ越し作業は終えることができた。

 畳の作業はチラシでは「朝にご自宅へお伺い、夕方には作業を終えてお届けをします」の謳い文句だったが、早くても3日間は掛かるとの事。まあ、通常よりも随分と安いので仕方ないが、予定が狂ってしまった。取りあえず、小さな子供がいると全く掃除が捗らないので、妻と娘を広島の実家に帰らせて、自分1人残って掃除をする事にした。夜…全ての畳が持ち出された部屋。無機質な部屋にいると気が狂いそうになる。せめて音だけはと思い、1度荷造りをしたテレビを取り出し、再び取り付けた。しかし、映らない。それならばと、今度はパソコンを取り出してネットに繋げた。こちらも駄目…自分はごく普通の人ならば簡単に出来るような行為が上手く行かないことがある。つまり、何かが人よりも足りないのだろう。

 パソコンは以前の日記にも書いたが、娘がおもちゃにして乱暴に扱う為、調子が悪い。修理をするにも躊躇われる。なので思い切って捨てる事にした。しかし、捨てられたパソコンから個人情報が抜き取られる云々を聞いた事を思い出す。また、パソコンイコール水に弱いというイメージもある。少し思案をして、庭先にパソコンを持ち出し、その上に放尿をした。これならば、パソコンも駄目になる上に悪臭で誰も持って帰る事もないだろう…自分の異常な行動と、3月の春先の寒さが入り混じって、思わず身震いをした。

 テレビもパソコンも駄目ならば、もう寝るしかない。畳が持ち出された床に布団を敷く。尊敬をする西村寛太先生の文庫本を手に取り、布団にくるまう。ページが進まぬうちに、昼間の疲れのせいか、泥のように眠りに落ちる。