111227_2006~01 ようやく長い入院生活(4か月間の修理)から帰ってきたグラハム。  愛着が薄れてしまったのか、手に持ってみてもピンと来ない。以前は、機械を巻き上げる時に伝わる、ドクッという人間の拍動みたいな振動に、鳥肌が立ったのだが。

 その理由は、今、私を虜にさせているカンパノラのせいだろう。和をテーマにした美しい外見もさながらであるが、うるう年も関係なく、勝手に修正をしてくれるカレンダーや、音色で現在の時刻を知らせてくれる等、全てにおいて、私の時計に対する概念を覆してくれた。一言で言うならば超越しているのだ。そして、時計はやはり日本製だと認識をさせてくれた。

 心理テストによれば、男性にとっての腕時計とは、彼女や奥さんを表すそうだ。つまり、腕時計を大事にする男性こそ、彼女や奥さんを大事にするらしい。それが本当ならば、私は相当な浮気者だ。

 グラハム。彼女(あえてそう呼ぶ)は、とんだ食わせ物だ。外見は派手で、その上、扱いにくい。ちょっとの衝撃で駄々をこねて働くのを辞め、挙句の果てにダウンする。

 しかし、一度は一目ぼれをした相手だ。末永く可愛がってやりたい。