東京は吉原のソープランドの入り口で俺は佇んでいた。入浴料が20000円、サービス料が40000円という高級店である。客としてでは無い。店のボーイとしてである。
前日に、佐川急便の夜間仕分け作業をばっくれたばかりであった。上野のチェリーという名のサウナで2泊をし、夜勤の身体から日勤の身体に整えた。
スポーツ新聞の3行広告を見て、サウナ前の公衆電話から風俗店の店員に応募をした。月給30万以上、寮付き。ポケットの中には、佐川急便の日雇いで得た諭吉が数枚。そして、イラン人から購入をした、偽造テレホンカードが数枚。偽造テレホンカードは、使用済みのカードの裏面が細工をされており、度数が無限大であるのだ。意を決して、公衆電話のボックス内に入る。ホテルヘルスらしきピンクチラシが所狭しと貼り付けられている。昔、ファンだったアイドルの顔が無断利用され、90分20000円の値段が付けられている。

ホキやがって!目の前のチラシを引きちぎり、丸めて足元に落とす。数日前、新宿の歌舞伎町でボラれた事を思い出す。ソープ?ヘルス?と食い下がってきたポン引きに付いて行った所、レンタルルームに案内をされ、写真とはまるで違う化け物級の売女が現れた。そして、服も脱がずにゴムフェラで、諭吉を4枚、佐川急便の日雇い1週間分を取られたのである。

瞬間に降って湧いた怒りを鎮めると、今度は逆に自らの心臓の音がダイレクトに伝わってくる。受話器を握る手が汗ばむ。電話に出た相手に、募集広告を見たと告げる。

電話を終えて1時間後には、店長である男に連れられ、俺はスーツを仕立てて貰っていた。その足で、靴屋に行き、安いビジネスシューズも買って貰う。


続く